26年ぶりに人様の前でベース弾いた也
2013.06.02レピッシュ・音楽関係
さる5月31日（先週金曜日）に下北沢のライヴハウス“Club 251（トゥーファイヴワン）”に於いて、2008年3月に亡くなった作曲家、上田 現（うえだげん）氏のトリビュート的ライヴが開催され、上田氏が永く在籍したバンド、『レピッシュ』に縁の深いミュージシャン達が上田氏の手懸けた数々の楽曲を演奏、オールスタンディングキャパ一杯のファンの方々と共に、故人を偲びました（以下敬称略）。
今回催しの中心となったのはレピッシュのヴォーカリストであるMAGUMIが率いる“BREATHLESS”と上田のソロ・プロジェクト・ユニット“ELE（今回は奥村大が中心）”、そしてメインゲストとしてレピッシュのギタリスト、杉本恭一と云った布陣。
最終的には、レピッシュのベーシスト、TATSUや、2007年から永くレピッシュのドラム・サポートを行っている矢野一成、昨年のツアーでキーボード/サックスでサポートした奥野真哉までが駆けつけ、極めて内容の濃い夜となりました。
で…。唐突ですが、そんな大事なライヴは私も少し酔っぱらいながら気持ちよく聞かせて貰うつもりだったのですが…。MAGUMIからのオファーを頂戴し、なんと無謀にも1曲だけですが、ベースを弾かせて頂くことに。
最初は躊躇したのですが、弾くことになった曲は、私がレピッシュに在籍した時期に上田と共作した“MAD GIRLS”というスカ・ナンバー。それならすぐに勘が戻るだろう、と簡単に考えていたら実際は大変でした…。まず…。
・左手のグリップ（握力）まったくなくなってる！
・右手の指まったく制御不能！
・既に1本しか所有していないベースのネック逆反り（ロッド余裕ギリ）！
・しかもフロントピックアップ死んでる！
…
というワケで、大至急ベースをメンテに出してネックやブリッジの調整、
死んでいるフロントピックアップはブラックボックス故に修理不能なため、
リアのみ使ってアンプでロウを強めに出すことにしました。
そして何よりも自分自身の問題。そもそも使用ベースはカワイFⅡBという30年前の国産アクティヴで本来パワーのある楽器なのですが、現在の自分の力では全く“音にならない”のです。本番までに3回音合わせ（リハ）があったのですが、1回目の後すぐMAGUMIと相談して、指弾きを諦め、2回目以降ピック弾きにしました。しかし実はピックだって簡単ではありません。どうしても音が痩せるので、BREATHLESSのベーシスト“はかまっち”氏に相談してコンプを少しかませるなどして、漸く少しましになり、あとは曲の構成を間違えないように、イメトレしたり…（自分で作った曲なのになんでこーなる？）。
そんな自信ないならよせばいいじゃん、他のメンバーに迷惑じゃないの。そう仰る方もいらっしゃることでしょう。その通り。ちゃんと弾き切る自信なんてないし、すでに音合わせの段階から迷惑かけているし。
でも今回、私はやることに決めたんです。迷惑かけようが、五十過ぎたおっさんがみっともない恥をさらそうが、それがなんだというのだ（笑）。そもそも、もう既に死ぬほど恥をかいてきているじゃないか。大体そもそも当時から下手だったじゃないか（恥）！
若いひとときを共有した仲間と、もう一度ステージに立ってみたかったし、目立ちたかったし？（笑）、そして吉祥寺の安アパートの一室で上田と作ったこの珍曲を鳴らしてみたかったから。実に26年ぶりに人様の前での演奏、レピッシュ組としては28年ぶりに人様の前に立たせて頂きました。
28年前、言葉の通じない痩せた恐竜のように凶暴な美少年だった MAGUMIのMCは当時本当に酷いものでした。しかし、28年後の今夜、舞台袖で聴く彼のMCは抜群にドラマチックで、28年ぶりに合わせます！ と綺麗に呼び込んでくれました。
で、結果…。やっぱり私は下手くそでした（笑）。しかし、他のメンバーに助けて貰ってどうにかこうにか最後まで…。あの頃とメンバーは違うけれども、少なくとも演奏前には客席の一番後ろから杉本恭一の声援が聞こえたし、演奏中に隣を見たらMAGUMIが、こちらを見て笑っていました。
曲が終わり、MAGUMIがまた巧みなMCで送り出してくれました。お客様の温かい拍手と歓声を頂きながら楽屋に戻ると、恭一やTATSUを始め、そこに居た全員がこれまた温かく迎えてくれました。皆さん本当にありがとう。
上田 現よ、
てなわけで、こんな感じで俺は巧くは演奏できなかったが…。
お客様には、そこそこ喜んで頂けたようであった。
取り敢えず及第点はくれるかな？
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