ディフォルメ・モデルカーの祖 Dave Deal
2011.08.01モデルカー人物伝
ディフォルメ・モデルカーの祖と言えば、1970年にアメリカのレベル社が発売した1/25のプラモデル・シリーズ、「ディールズ・ホイール」だ。で、その箱絵・マンガ仕立ての説明書・立体造形の監修を努めたのが、今は亡きクルマ漫画家「ディブ・ディール」氏。
クルマ漫画家などと書いているが、クルマ専門と言うわけではなかった。しかし彼自身「カーガイ」だったし、クルマの仕事が他に比べて圧倒的に多かった。
ディールズ・ホイールに出会ったのは小学校3~5年の頃だった。多分1973~75年だ。当時レベルのプラモデルはグンゼが輸入しており、本国版とは異なる日本語の箱で売られていた。本国におけるディールズの立ち上がりは1970年だが、日本で展開されるようになるまでには若干時間がかかったということだ。
とにかくこのシリーズは当時の自分にとって大インパクト! いまだに最も好きなものの1つである。2005年に編集した「スピード☆キング」というムックでは同シリーズとデイブ・ディールを主軸に置いたディフォルメ・空冷VWバグに特化した特集記事を作った。
憧れの人物だったわけだが、この仕事の時も直に会えたわけではなく、結局生前一度も会えなかった。
当時掲載誌を送ったら、お礼の手紙と、なかなかに的を射た感想文、そして名刺が何枚も送られてきた。写真はその1枚で、フェラーリ250ルッソの絵柄がフィーチャーされたもの。空冷VWバグ系の印象が強い彼だが、もちろん何でも描けるワケで、このルッソなども素晴らしい絵だと思う。 (文:山田剛久)