“ザ・クーペ・フロム・リバーサイド”誕生秘話 04

2011.08.22デイブ・ディール通信

 前回の続き。Tシャツ・プロジェクトが一段落した後、今度は何らかの立体をカタチにしたいと考えていました。デイブに提案したのは、デイブ自身のフィギュア(例のロゴマークを立体化したもの)や、“The Coupe From Riverside”のチョロQサイズのミニチュア、そして今回のDeal’s wheels サイズのキットです。全てに関してデイブはOKを出してくれていましたが、今振り返ってみれば、より凝ったものを出したいという気持ちが強かった自分は、無駄に時間を費やしてしまっていたのかも知れません。

 やがて彼の訃報が…。

 そして自分も永年務めた会社を退職してフリーに…。

 正直今の状況でこのキットを出すことは賢いタイミングとは言えないかも知れません。しかし諸々の状況を鑑み、自分なりの勢いがあるときにやらねば、もう一生できないかもしれない。それは自分にとって、売れないことよりずっと恐ろしいことなのです。

 正直“もう時間があまり無い”という意識に背中を押され続け、結局今やることにしました。幸い周囲の人脈的にも為すべきタイミングだったかも知れない。

 原型に関しては紆余曲折を経て、平塚の老舗“DTM”の伊東祐司氏にお願いすることにしました。DTMのボスである小森康弘さんは戦後国内モデルカー世界の生き字引のような方で、自分にとっては“ミニドライブ”という、懐かしい機械制御式ドライブゲームのデザインに関わったキャリアからも、一言ばかりのレスペクトでは語り尽くせないほど深く尊敬している大先輩です。

 その小森さんのお眼鏡にかなっている原型師は決して多くないと思いますが、そのうちの一人で長いキャリアをお持ちなのが伊東さんというワケです。

 最初に小森さんと伊東さんと膝を突き合わせて打ち合わせをしました。サイズ感覚が伝わらないと思ったので、Deal’s Wheelsの“ZZZZZZZZZ-28”を持ち込み、そのタイヤを元に作っていくことにしました。そうして伊東さんが最初にひねりだしてきた形が下の写真です。材質はサイコウッドです。早くも“らしい”カタチになってますね。

 

 次回に続きます!

★デイブ・ディール・フリーク必見! The Coupe From Riverside レジンキット★

 


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