マクラーレンM23-26 1973-’78 ジョー・ホンダ写真集 No.4

2011.08.01モデルファクトリーヒロ 写真集

マクラーレンM23-26 1973-’78

 昨年末からモデルファクトリーヒロさんが刊行している、写真家ジョー・ホンダさんの写真集シリーズの編集を担当させて頂いています。このシリーズの第4弾が、ご覧のマクラーレンM23(M26も含む)。つい先頃、校了しました。

 表紙は1974年11月24日 FISCOでのデモラン時、ピットにおけるエマーソンのM23-8。晩秋の富士スピードウェイ、夕闇迫る中、コスワースDFVのエグゾーストノートとアグレッシブなF1サーカスの走りが観衆の度肝を抜いたのでした。

 M23は5シーズンに渡って第一線にあった稀有な名機でしたから、今回の編集はこれまでより少しばかりややこしく、更に後継車であったM26も一緒に掲載するという、ミッションでしたので、かなり試行錯誤しました。

 しかし要するに、この時代の我が国のF1ファンは、当時極めて限られた写真でしかF1マシーンを観察できていないので、1枚でも多くユニークな写真を掲載するのがベストであろうと考えて作業を進めました。自分自身が、『オートスポーツ、オートテクニック、カーグラフィックのF1記事が全て』だった世代なので、同世代の同嗜好の方々の気持ちは概ね理解できているつもりです。

 ちょっとピンポイントな話。1974~’75年のM23に関して、メカ部分のキモは間違いなくDFVだと思います。この時期のM23のDFVは他車のものとはかなり異なった外見なのです。ご覧のように吸気トランペットが中央に向って湾曲しており、通常はトランペットの間に置かれるイグニッション・ボックスが行き場を失ってギアボックスとの間に挟まれたスペーサーの上に鎮座しているのです(上・右画像参照)。

 更に今回は、先の表紙から始まって、1974年11月24日、初めて日本の観衆の前でF1マシーンが走った『デモラン』に数ページを割いてご紹介しています。息を呑んでスタートを待つ満員の観衆、スタンドの左に霊峰富士。バーニーの指示で、グランドスタンド前に整然と並んだ、たった5台の(だが しかし)最高のメンツ。先頭からエマーソン/M23、ロニー/ロータス72E、ハント/ヘスケス308、デパイユ/タイレル007、ロイテマン/ブラバムBT44。1/43 ジオラマの題材として最高! な気がします。

  そしてM23と言えば、故ジェイムズ・ハント”ザ・シャント”氏を忘れるわけにはいきません。今のエリート達には望むべくもない不良っぽさ。ワルい感じをプンプンさせた、ロックスターのようなハントの傍若無人っぷりが垣間見えるフォトも何点か収録しております。

  私は、このシリーズの編集をヒロさんから仰せつかったとき、我々のコンセンサスとして、『F1模型作りの資料となるもの』を目指すということで一致していました。しかし、既に4冊目を上梓しつつある現在、我々の考えは若干変化してきています。

 そのあたりのお話はまた次回。

 何はともあれ、シリーズ第4作目の『マクラーレンM23-26 1973-’78』を宜しくお願い申し上げます!

JOE HONDA Racing Pictorial Series by HIRO No.04
McLaren M23 / M26 1973-78
■モデルファクトリーヒロ刊
■2011年4月11日発売予定
■予価:3,300円(税込)
■カラー+モノクロ全80頁
■収蔵写真点数:約400点(カラー300点/モノクロ100点)
■問い合わせ:Model-Factory-HIRO
(モデルファクトリーヒロ Tel.03-5851-2522)
モデルファクトリーヒロ

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